それはまるで「匂い」のようだ。
「メロディー」というものは、
「言語」や「知性」などの壁を超える。
それはまるで「匂い」のように。
本能に呼びかけ、
人々の「記憶」に残るのだ。
全米アルバムチャートの3位の快挙を成し遂げたファーストアルバム「BALLADS 1」に続く、待望のセカンドアルバム。
大阪出身、ニューヨーク在住の日系というバックグラウンドを持ち、
日本人が得意とする、
前作にて体現した「情緒」と「繊細さ」を表現する歌声には更に磨きがかかり、
豪華プロデュース陣営の力と相まって、
楽曲全てにおいてのクオリティが格段と向上している。
1番大きな印象として挙げられるのは、
やはりその「心地よさ」だろう。
メロディー、歌声、トラックにおいて、
作品を構成するその全てに、
絶妙で美しい「間」が存在し、
その「引き算」されたであろう「音」に、
一切の無駄が無いのだ。
アルバム冒頭の2曲「Ew」「MODUS」は特に、
「日本人」にしか表現する事のできない「情緒」を見事に描いていると感じる。
「良作」というのは、
聴き手におけるシーンや情緒に関係なく、
いつでも「聴く」事ができる。
まさに「クラシック」と呼べる、
色褪せる事のないであろう作品。