それはまるで、世界の終焉を穏やかに迎えるかの如く、美しい。
「ファーザー・ジョン・ミスティ」ことジョシュ・ティルマンのサードアルバム。
前作同様、共同プロデューサーにジョナサン・ウィルソンを迎えており、
やはり彼の最大の武器である美しい「間」と「響き」そして「フェス感」が、
このアルバムの雰囲気を何ともノスタルジックに、そして壮大に仕上げている。
聴けば聴くほどに奥深く、味わい深く。
それはまるで上質なウイスキーを味わって居るかのような、
心地よく優しさに包まれながらもどこか悲しげで虚無感を感じるこのアルバムは、
酒に酔いしれながら世界の終焉を穏やかに迎えるかの如く、美しい。